「関西ライターズリビングルームオンライン!」第四夜、ゲストは「女子SPA!」などで健筆をふるう人気ライター、おおしまりえさん。多数のご視聴ありがとうございました。
時間が経ってしまいました。
Zoomを使ったオンライン勉強会「関西ライターズリビングルームオンライン!」第四夜、9月23日(水)に無事終了をいたしました。
たくさんのご視聴、ありがとうございました!
スポットライターは「ananWeb」「女子SPA!」など多くのビッグメディアで一歩踏み込んだ恋愛記事をお書きになっている、「恋愛ジャーナリスト」おおしまりえさん。
おおしまさんのプロ意識の高さ、記事をつくるうえでの強い意志と誠実さがビシビシ伝わってきて、本当にいい刺激を受けました。
勉強になるとともに「自分が仕事に向かう姿勢は甘かったのではないか」と襟元をたださずにはおれない1時間でした。
「人間の愚かさ、非合理な部分、心の揺らぎ」を突き詰めて記事を書くという、おおしまさん。
水商売やプロ雀士(!)というさまざまな経験を積むうちに「人間の心理」に関心をいだくようになったのだそう。
また、おおしまさんは学生時代に美術を学んでおり、就職したゲーム会社ではデザインも手掛けていました。
そのため自分の記事に添えるイラストが描ける点も強みです。
ライターをやるうえで「前歴を活かす」って本当に重要だなと改めて思いました。
「私、得意分野がないんです」という方、自分の人生を顧みれば、きっとなにかがあるはずです。
そしておおしまさんが、なみいる恋愛記事の書き手のなかで突出している理由が、話を聞いているうちに少しずつわかってきました。
- 恋愛をつかみとる方法を書いた記事は多いが、愛を育てる記事は少ない。
おおしまさんは前者を「ハンティング能力」、後者を「ブリーダー能力」と呼びます。
世間の恋愛記事のほとんどはハンティング記事。
確かに「恋愛のなかで人間関係を成長させる」という、ブリーダー観点の記事は、おおしまさん以外に書く人は少ないように思います。
- 自分の話は書かない。
ここ、かなり意外に思った方が多いのでは。
そして、こここそが「エッセイスト」と「ライター」との大きな分岐点と言えます。
ライターは自分のことを知ってほしいわけでも、自分の経験談を語りたいわけでもない。
恋愛シーンの最新のかたちを俯瞰した状態で書くためには、むしろ「自分のことはさておく」冷静さが必要です。
それに「自分の経験を書き続けると、過激になってゆくしかない」のだと。
何人か、思い当たるフシがあります……。
- 取材をする。
「取材をするなんて当たり前では?」と思う方も多いでしょう。
しかし恋愛記事の多くのライターは「経験」を書くことはあっても「取材」して書く場合は少ないのだそう。
おおしまさんは、いわゆる「出会いスポット」と呼ばれる場所に過去に100回以上も足を運んでいます。
さらに、マッチングアプリの現状を知るために自らネットの海に飛び込んで調査をしています。
彼女の姿勢は、つねに「記者」なのです。
だから旧態依然としたアップデートしない恋愛論ではなく、フレッシュでジャストなシーンを書けるわけです。
- 営業をするときは「連載をいただく」気持ちで。
起きている時間はつねに「企画」を考えているという、おおしまさん。
それゆえに彼女が書く記事は暮らしに密着しています。
そんな彼女は過去の仕事の多くを「営業」で獲得してきました。
「営業は苦手」というライターが多いのです。
けれどもおおしまさんは「書きたいことがらがあって、書きたい記事の内容にふさわしい媒体があれば、営業しない理由がない」と語ります。
ここ、本当に「その通り!」と僕も思うんです。
営業をしないのは、もったいなさすぎるんです。
さらにおおしまさんは営業の際「はじめから連載を意識する」と言います。
「書きたいテーマが、一回や二回の記事で終わるはずがない」と。
おおしまりえさんの記事の多くが連載で、しかも冠がついているのは、彼女が毅然とテーマを明確にしてきた結果なのです。
連載を意識して営業をするのは度胸が要ります。
けれども書きたいテーマに対して誠実であれば、確かに必然的にそうなるはずなんですよね。
自分の弱さや怠惰な点をハッと気づかされました。
さて次回、第五夜は10月28日(水)午後8時より開催。
テーマは「結局、メディアはどんなライターを求めているのか」
ゲストはライター専門誌「ライターマガジン」を起ち上げた株式会社イージーゴー代表の江郷路彦(えごうみちひこ)さん。
メディアを創り、さらに他のメディアを取材してこられた江郷さんにリアルな感想をお聴きします。
ライターに限らず、すべての職種に役に立つお話が聴けますよ!
10月14日(水)から視聴予約を始めます。
視聴は無料。
予約も簡単です。
「ここだけの話」なので、アーカイブは残しません。
ぜひ空けておいてくださいね。