関西ライターズリビングルーム

文章で生きる達人に訊く「仕事術」

Zoomによるライターの勉強会「関西ライターズリビングルームオンライン!」第六夜 11月25日(水)テーマ「記事の企画のたてかた」ゲストは「デイリーポータルZ」「メシ通」などで活躍するライターの辰井裕紀さん。ご視聴ありがとうございました。

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報告がたいへん遅くなり、年が明けてしまいました。
Zoomを使ったライターのオンライン勉強会「関西ライターズリビングルームオンライン!」第六夜、2020年11月25日(水)に無事終了いたしました。
70名を超える、たくさんのご視聴をいただき、ありがとうございました!
第六夜のスポットライターは辰井裕紀さん
辰井さんは「デイリーポータルZ」「メシ通」「ジモコロ」「ねとらぼ」「SUUMOジャーナル」など、さまざまな媒体で執筆し、とくに企画立案に定評がある方。
今年の春には初の著書を上梓される予定。
いまもっとも注目されるライターのひとりなのです。
「企画王」と異名をとる辰井さんにおうかがいするテーマは、もちろん「記事の企画のたてかた。メディアの審査を通過する企画、“バズる”企画はどのようにして生み出されるのか」
ヒット記事を連発する辰井さんに、記事を立案する方法と、メディアへ企画を通す秘訣をうかがいました。
*無理を言って「ここだけの話」をしていただいたので、リポートといえども最肝要な部分は書けない点をなにとぞご海容ください。
もともと放送作家で、現在もテレビの仕事を続けている辰井さん。
「自分がたてた企画をかたちにしたい」という思いから、ライターを目指したのが4年前。
「ねとらぼ」の2次試験を合格し、さらに「デイリーポータルZ」の新人賞を受賞。
これをきっかけに他のメディアからも声がかかるようになったのだそう。
未経験にもかかわらず最初から難関を目指した辰井さん。
「私は新人なので無署名文字単価0.5円からこつこつと」と考えてしまうのですが、「書きたい」意志が強いのならば、いきなり大手メディアに挑む方法もあるのです。
辰井さんの記事はいつも企画が鋭いだけではなく、掲載される本数の多さにも驚かされます。
現在は単行本の執筆に追われ「月に30本くらい」だそうですが、ひと頃は月になんと100本(!)の企画を練っていたのだそう。
記事質をあげるためには「企画の数量が必要」というお話、強く「なるほど」と思いました。
企画の量を増やすと一本ずつが薄くなると思いがちですが、実際は反対なんですよね。
このお話をもとに、僕は2021年の仕事の計画をたてなおしました。
企画書には「識者コメントはこの方」など、かなり具体的なかたちを「ペライチ」にまとめる。
企画書を作成する作業が恒常化していないと、この点が難しいかもしれません。
でもこの難しい作業が、企画を通すコツにもつながっています。
では、企画をどうやって発想するのか。
辰井さんは「企画がなにもせずにぽっと浮かぶケースはそこまで多くない」といいます。
とにかく何時間もかけて「考える」「思いだす」と。
考えて考えて考えているうちに「覚醒モード」に入り、そこで一気に企画を出すのだそう。
考える習慣をつくることによって、「浮かぶ」力も鍛えられる。
「つね日ごろから考える習慣をつけておいたほうがいい」、ここは自分も怠っている部分です。
耳に痛かったですね。
辰井さんは企画をたてるうえで重要なのは「事前リサーチ」だといいます。
「発想とは0を1にすること。リサーチとは1を10にすること」なのだと。
そして辰井さんが記事を書く上で大切にしているのは「読後の後味がいい」かどうか。
どんなに暗い部分があっても、読み終わったときに後味がいい記事になるよう構成をたてています。
辰井さん記事を読み終わるといつも胸にあたたかいものが残るのですが、やはり後味を意識しておられたのですね。
記事ってどんなに平易な表現であってもやっぱり、書いた人の人間味がにじみ出てくるんですよね。
なぜ辰井さんが書く記事が読者を惹きつけ、人気が高いのかが、よくわかりました。
さて次回「関西ライターズリビングルームオンライン!」第七夜1月27日(水)午後8時より開催。
新年の幕開けにふさわしいビッグなゲストをお迎えします。
お招きするのは「大人養成講座」「大人力検定」などでおなじみ、コラムニストの石原壮一郎さん
日本人の生活がステイホーム型に変わろうとしていて、「読み物」の需要が増えています。
そこで! 読者の心をとらえて離さないコラム記事の書き方を教わりたい。
ライターに限らず、すべての職種に役に立つお話が聴けますよ!
近日中に視聴予約を始めます。
視聴は無料。
予約も簡単です。
アーカイブは残しません。
ぜひ空けておいてくださいね。