関西ライターズリビングルーム

文章で生きる達人に訊く「仕事術」

2019年1月23日(水)開催「関西ライターズリビングルーム」第二十一夜のゲストは「底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる」著者、カワノアユミさん。無事終了しました!

第一線で活躍するライターにインタビューしながら仕事術を訊きだすトークイベント型の勉強会「関西ライターズリビングルーム

 

第二十二夜、無事終了しました。

 

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今回も満員となりました。
ありがとうございます!!

 

ゲスト講師は、キャバ嬢出身ライターのカワノアユミさん

 

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カワノアユミさんは「女子SPA!」「サイゾーウーマン」「東スポ」など大手メディアで夜の世界や裏モノ、賭け事の世界に生きる人々の実態など鋭いルポを書き続ける人気ライターさんです。

 

カワノさん、この頃は頻繁に全国ネットのテレビ番組に出演されているので、コメンテーターとしてご存知の方も多いかも。

 

カワノさんは20代を歌舞伎町で過ごした、やる気ゼロの元・底辺キャバ嬢。

日本に退屈し、アジア5カ国のキャバクラで9カ月間働き、著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』イーストプレス)を上梓されました。

 

今回は「従業員だから撮れたアジア歓楽街の裏側」「女性だからこそ撮れたアジア水商売の実態」の画像を観ながら、往時の想い出と、そこからライターになったいきさつ、体当たり取材の方法論などお訊きしました。

 

屋内喫煙が違法の香港で、法の目をかいくぐってキャバ嬢たちが行う、アルミホイルを使った「簡易灰皿づくり」の実演も披露!

 

いや~、盛りだくさんでしたね。

 

カワノアユミさんが言う、頭角をあらわす方法は、記事でもブログでも「誰も書いていないことを書くこと」

 

カワノさんが書く記事って、ほぼすべて「企画提案」なんですって。
自分でネタを探してきて、企画書を作って、売り込むタイプ。

 

いまではよく耳にする「ママ活」も、カワノさんが当事者を取材した当時はほかの誰もまだ記事にはしておらず、そのため掲載後にコメンテーターの仕事がたくさん来たのだそう。

 

このように仕事が仕事を呼ぶためには、“言い出しっぺ”にならなければならないのですね。

 

また「書きたいことを記事にするためには、たとえ別ペンネームでも書く」とも。

 

カワノさんはいま別名義で恋愛系のディープな取材記事を書いているのですが、ライターが表へ出ることで読者の共感が別の方向へ行ってしまうため「女性が書いているのか、男性が書いているのかが、わからないペンネームにしている」とのこと。

 

つまり、おもしろい取材結果を記事として成仏させることが最優先であり、自分の承認欲求ではないのです。

このあたりが「さすがプロだな」と感心しました。

 

カワノさんのお話を聞いていると、巷で言われる「ライターはこうあるべき」の正反対方向に突き進んで次々とビッグな仕事を獲得していらっしゃるんだなあと感じます。

 

皆と同じ方向へ走っても、椅子取り合戦で疲弊するだけだし、書きたい人が多いジャンルは原稿料もさがりますしね。

 

僕自身もわりと「教則本に書かれたことに逆行するタイプ」なので(カワノさん足元にも及びませんが)シンパシーをいだくことしきりでした。

 

 

3月27日(水)開催の第二十二夜Meets Regional』編集長、竹村匡己さんをお招きし「結局、メディアはどんなライターを求めているのか」の第二弾を開催します。